オキシドールとは、主にヘアカラーやブリーチ、パーマの施術で使用される「過酸化水素水(2剤)」の通称です。メラニン色素を分解・漂白して髪を発色させる、または薬剤を定着させるために欠かせない強力な酸化剤としての役割を担っています。
最大の特徴は、組み合わせるメニューによって異なる化学反応(酸化作用)を引き起こす点にあります。ヘアカラーやブリーチでは、1剤と混ぜ合わせることでメラニン色素を漂白し、同時に染料を発色・定着させて髪を明るくします。パーマの施術においては、1液によって切断された毛髪の結合(シスチン結合)を再結合させて固定し、カールやウェーブの形状を長期間キープさせる役割を果たします。しかし、過酸化水素は強力な酸化作用を持つため、毛髪のタンパク質に負担を与えてパサつきや乾燥を招く側面があります。さらに、施術後に髪や頭皮に成分が残留すると、日中の色落ちや頭皮の老化(インフラメイジングなど)を加速させる原因となるため、現在の美容室(サロン)では「カタラーゼ」などの酵素を用いて、残留した過酸化水素を水と酸素に分解して完全に無害化するアフターケアの手順が広く導入されています。なお、本来のオキシドールは日本薬局方に定められた濃度2.5〜3.5%の殺菌消毒剤を指しますが、美容業界では「オキシ」や「過水(かすい)」と呼ばれ、ヘアカラー用には目的の明度や髪質に合わせて濃度(3%、6%など)が専用に調整・製品化されています。
主なポイント
- ヘアカラーやパーマで使われる過酸化水素水の通称としての定義
ヘアデザインを形作るための、最も代表的な酸化用薬剤(2剤)の分類です。毛髪の内部組織へと働きかけ、色彩の定着やフォルムの固定を物理的に成立させる重要な役割を持っています。 - 1剤と混合し、メラニンを漂白して染料を定着させるカラーでの役割
ブリーチやカラーリングのプロセスにおける化学反応です。髪が本来持つ黒い色素をいなし、ハニーブロンドやアッシュグレーといった華やかなハイトーンカラーの色彩を綺麗に発色させます。 - 切断された毛髪の結合を再結合し、カールを固定するパーマでの役割
ウェーブや縮毛矯正のデザインを定着させるためのステップです。1液による還元反応を酸化の力によって反転させ、引き出した立体感(ボリューム)や毛流れの形状をその位置にホールドします。 - 強力な酸化作用がもたらす毛髪タンパク質へのダメージと乾燥
オキシドールを使用する上で留意すべき、毛髪への物理的な負担です。過剰な作用はキューティクルの剥離やパサつきを招くため、施術前の事前の丁寧な保護や適切な濃度選定が求められます。 - 施術後の残留による色落ちの進行や頭皮の老化を招くリスク
洗髪(シャンプー)だけでは落としきれない、残留薬剤が引き起こす悪影響です。活性酸素の発生源となって地肌のキメを乱したり、せっかく仕込んだヘアカラーの退色を早めてしまう原因となります。 - カタラーゼ等の酵素を用いて水と酸素に分解・無害化するプレケア
サロンワークにおいて重視されている、最新の残留アルカリ・過水除去の手順です。専用の処理剤を髪に浸透させることで、オキシの成分をクリーンに中和し、まとまりのある健やかな質感を保護します。 - 3%や6%などの濃度に調整され、消毒剤と区別される美容用の仕様
日常の衛生用品とプロ用の調合資材における、美容用語としての正確な境界線です。個人の髪の傷み具合やくせの強さを見極め、施術者が適切な濃度を選択してトータルビューティーを具現化します。

