オーバーセクションとは、ヘアカットやヘアカラーなどの施術を行う際、頭部を上下の領域に分割したうちの「上半分(頭頂部側の領域)」を指す美容用語です。
最大の特徴は、頭の最も出っ張っている部分(ハチまわりや後頭部の骨格の出っ張りなど)を結んだラインを境界線として上下に分ける点にあります。この境界線の上の領域をオーバーセクション、下の領域を「アンダーセクション」と呼び、ヘアデザインを理論的に構築するための基本のエリア区分として用いられます。施術における役割として、ヘアカットでは、オーバーセクションの髪がヘアスタイル全体の表面に重なるため、全体の長さ、ボリューム、そして滑らかな面の美しさや質感を決定づける重要な部分となります。また、ヘアカラーにおいては、外部から最も直接的に視認できる表面の領域となるため、この部分にハイライトやインナーカラーを配置することで、全体の印象や色彩のグラデーション、透け感を大きくコントロールすることができます。
主なポイント
- ハチや後頭部の出っ張りを境界線とする頭部の上半分
頭部の骨格の形状をベースに設定される領域の定義です。ハチまわりの最も突出したラインを基準に上下を分けるため、個人の骨格に合わせた細密なエリア設定を行うための出発点となります。 - 「アンダーセクション」と対をなす頭部のエリア区分
オーバーセクションの反対側にあたる、耳の周辺や襟足(ネープ)を含む下半分の領域をアンダーセクションと呼びます。この2つのセクションを明確に区別することで、複雑なヘアスタイルの設計図を組み立てることが可能となります。 - ヘアスタイル全体の表面の長さを決定する役割
カット施術における、デザイン形成上の重要な機能です。オーバーセクションの髪をどの程度の長さに残すかによって、ボブのように重さのあるスタイルから、レイヤー(段差)のついた軽快な空気感(エアリー感)のあるスタイルまでをコントロールします。 - 全体のボリュームや質感を左右する最外層の制御
髪の表面を覆う領域であるため、毛量調整や質感の表現において慎重なカット技術が求められます。この部分の毛量を適度にいなすことで、パサつきや乾燥による広がりを抑え、まとまりのあるしなやかな質感へと導きます。 - 表面に見えるエリアを活かした色彩デザインの展開
ヘアカラーの施術において、最も人の視覚に直接的に届くエリアです。ここに明るい色調やクリアな色彩を乗せることで、黒髪や暗髪のベースメイクの中に、華やかな多幸感や洗練された垢抜け感を表現するのに重宝されます。 - ハイライトやインナーカラーによる印象のコントロール
オーバーセクションへのカラー塗布技術の応用です。表面に細かいスジ状のハイライトを走らせて光の反射によるツヤ感や立体感を作ったり、内側の色彩を透けさせるためにオーバーセクションの髪の重なり方を計算したりして、洗練された「優しい抜け感」のあるスタイルへと導きます。

