コハク酸(別名:サクシニック酸)とは、アサリやシジミなどの貝類に多く含まれる天然由来の有機酸ジカルボン酸)の一種です。スキンケアにおいては低刺激ニキビケアや肌の引き締め(収れん)、ヘアケアにおいては毛髪の柔軟性向上やダメージ保護を目的に配合されます。人間の体内でも「クエン酸回路」というエネルギー代謝サイクルの中で自然に作られている成分であるため、肌や頭皮への負担が少なく、高い安全性と機能性を兼ね備えた注目成分です。

最大の特徴は、皮膚への高い安全性を維持しながら「アクネ菌の増殖抑制」や「毛髪の質感を和らげる機能」を同時に発揮する点にあります。スキンケアにおいては、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑える効果を持ちながら、従来のピーリング成分(サリチル酸など)と比較して肌への刺激が非常に少ないため、敏感肌の方でも毎日取り入れやすい利点があります。軽度の収れん作用によって毛穴をキュッと引き締め、皮脂の分泌バランスを均一に整えるほか、化粧品自体のpH(酸度)を安定させたり、成分特有の不快な臭いをマスキングして抑えたりする目的でも重宝されます。一方、ヘアケアの領域においては、ゴワつきやすい毛髪の表面(キューティクル領域)に優しく作用して柔軟性を高め、しなやかで指通りの良い手触りへと導きます。さらに、髪の内部組織の弾力や強度を健やかに保ち、カラーパーマなどのケミカル施術のダメージから髪を守る保護膜のようなサポート効果も発揮する、インナー・アウター双方の美容ケアに広く重宝される万能な酸性成分です。 

主なポイント

  • コハク酸の定義
    貝類の旨味成分としても知られる天然の有機酸であり、体内代謝にも深く関わっているため肌への負担が非常に少なく、ニキビケア、毛穴の引き締め、髪の柔軟化に貢献する多機能成分のことです。
  • 敏感肌でも使える低刺激なニキビケア
    毛穴の詰まりや炎症を誘発するアクネ菌の繁殖をマイルドに阻止する効果があり、強い酸にありがちなピリピリとした不快感や赤みを防ぎながら、肌トラブルの起きにくい肌へと整えます。
  • 毛穴を整える収れん作用とpHの安定
    地肌を優しく引き締めて過剰な皮脂のべたつきを抑えるほか、製品そのものの酸性度を一定に保つ役割、およびフォーミュラ内の気になるにおいを抑えて使い心地を向上させる役割を担います。
  • 髪のごわつきをほぐす柔軟性の向上
    毎日の乾燥や外部ストレスによって硬くなってしまった毛髪の表面に滑らかにアプローチし、髪本来のしなやかさを引き出して、指通りの良い柔らかな手触りに変容させるのに有効です。
  • ケミカル施術から髪を保護する機能
    髪の内部密度や弾力を維持するための防護サポート力を持ち、サロンで行うヘアカラーやパーマの薬剤による髪への負担を軽減し、パサつきや切れ毛などのダメージを未然に防止します。