シスチンとは、髪や爪、肌の角質層を構成するタンパク質ケラチン)の主成分となるアミノ酸のことです。2つのシステインが結合して形成され、髪や爪の「強度」や「弾力」を生み出す重要な役割を担っています。

最大の特徴は、シスチン同士が非常に強い結びつきである「シスチン結合(S-S結合)」を形成している点にあります。この結合がしっかりしていることで、髪はハリコシ、弾力を保つことができますが、ヘアカラーパーマ、日々の紫外線などのダメージによってこの結合が切れると、パサつきや切れ毛の原因になります。また、シスチンは体内で「システイン」に変換されて利用されます。システインは肌の代謝(ターンオーバー)を正常に整え、シミの元となるメラニンの生成を抑えたり、抗酸化作用によって肌の老化を防いだりする効果が期待できます。シスチンは体内で合成できる成分ですが、年齢や生活習慣によって不足することがあるため、大豆製品、のり、ごま、鶏肉などの食事から補給するほか、傷んだ髪を補修するためにシスチンやケラチンを配合したトリートメントなどを外部から補給するヘアケアを行う手順が一般的です。

主なポイント

  • 髪や爪のケラチンを構成するアミノ酸の定義
    皮膚の最外層や毛髪構造の核となる成分です。2つのシステイン分子が強固に結びついた二量体として存在し、組織の物理的な骨組みを維持するための極めて重要な栄養素です。
  • ハリやコシ、弾力を生み出す強固なシスチン結合
    毛髪の強度を物理的に決定づける結合様式です。髪の内部で強固なネットワークを形成し、頭部のボリュームを維持したり、しなやかな毛流れや毛先のしなりを後押しします。
  • カラーやパーマ、紫外線ダメージによる結合の切断
    毛髪内部の空洞化や乾燥を招く主な内的要因です。外的ストレッサーや薬剤に含まれるアルカリ・熱によってこの強固な結びつきが切断されると、髪は耐水性や弾力を失い、深刻なパサつきや切れ毛へと直結します。
  • 体内でシステインへと変換されて起こる代謝の正常化
    シスチンが還元されることで生まれる美肌への効果です。体内でシステインへと変化し、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)のリズムを適正に整えることで、キメの乱れたゴワつきやくすみを解消へと導きます。
  • メラニンの生成抑制と活性酸素に対抗する抗酸化作用
    シミや肌老化を防ぐインナーケアとしての役割です。シミの直接的な原因となる黒色メラニンの産生をコントロールするとともに、優れた抗酸化性を発揮して活性酸素による皮膚のシワたるみの定着を阻止します。
  • シスチンとシステインにおける結合状態の分子構造的な差異
    アミノ酸としての性質と状態の分類です。2つの分子がガッチリと合体した形態が「シスチン」であり、それが体内で分解・還元されて個々の単一分子として働く状態が「システイン」となります。
  • 大豆製品や鶏肉などの食品およびトリートメントからの補給
    不足しがちな成分を内外から補填するためのアプローチです。のりやごまといった日々の食材から摂取するインナーケアと並行し、ケラチンやシスチンを配合したインバストリートメント等で髪の表面から物理的に補修します。