タボ(髱)とは、主に日本髪において、後頭部から襟足にかけて外側に張り出したり、ふくらんだりしている髪の部分を指す言葉です。

最大の特徴は、日本髪全体のウェイトバランスや、後ろ姿の格調高さを決定づける独自のブロック構造にあります。伝統的な日本髪は、基本的に「前髪」、左右の耳の上の横に張り出した部分である「鬢(びん)」、頭の上や後ろで結った髪の束である「髷(まげ)」、そして後頭部から首筋(ネープ)にかけての部分を指す「タボ(髱)」の4から5つのブロックで構成されています。このタボをふっくらと丸く結い上げることにより、女性らしく上品なシルエットが表現され、地域文化による呼称の違いとして、関西では「つと」とも呼ばれます。また、現代の美容室における結婚式や成人式の和装ヘアセット、あるいはバレエなどの舞台用ヘアアレンジにおいても、このタボのようなボリュームを作るための「毛タボ(けたぼ)」と呼ばれる詰め物・毛束のヘアアイテムが広く用いられており、シニヨン(お団子)を大きく見せたり、後頭部をふっくらと膨らませたりする強固な土台として不可欠な役割を担っています。

主なポイント

  • 後頭部から襟足にかけて外側に張り出した髪のふくらみの定義
    日本髪の造形を構成する上で欠かせない後ろ半分の領域です。首筋(ネープ)にかけての部分をふっくらと丸く結い上げることで、女性らしく上品なシルエットを生み出す役割を持っています。
  • 前髪・鬢(びん)・髷(まげ)とともに日本髪を形作る主要なブロック
    頭部全体を理論的に分割して結髪(ヘアセット)を行う際の、背面に位置するエリア定義です。左右の耳の上の横に張り出した「鬢」や、頭の上や後ろで結った髪の束である「髷」と組み合わせて全体のバランスを構築します。
  • 関西を中心とする伝統文化の領域における「つと」という呼称
    歴史的な時代の変遷や地域に紐づく、和装・美容用語における呼称の分類です。関東を中心に使われる「タボ」という言葉に対し、関西では古くから異なる名称で親しまれてきました。
  • 現代のヘアアレンジにおいてボリュームを作るための詰め物・毛束の仕様
    伝統的な日本髪の技法から派生し、現代のサロンでも多用されているヘアアイテム「毛タボ(けたぼ)」の名称です。自分の髪の毛の内部に仕込むことで、必要な量感を物理的に再現することを可能にします。
  • シニヨンを大きく見せたり後頭部を膨らませたりする具体的な用途
    結婚式や成人式の和装ヘアセット、あるいはバレエなどの舞台用ヘアアレンジでの活用事例です。後頭部をふっくらと膨らませ、理想の形を長期間キープするための強固な土台として使用されます。