フィブリルとは、主に髪の毛の内部(コルテックス)を構成する繊維状のタンパク質ケラチン線維)のことです。髪の毛のしなやかさや強さ、弾力を生み出す「骨組み」の役割を担っています。

最大の特徴は、毛髪内部の大部分における構造を物理的に支えている点にあります。髪の毛の約85〜90%は「コルテックス(毛皮質)」と呼ばれる内部組織で占められており、フィブリルはその主成分です。構造としては、ミクロフィブリルと呼ばれるさらに細いタンパク質の繊維が集まって束になった「マクロフィブリル」を形成しています。さらに、この束になったフィブリル同士の隙間を埋めているのが、ゼリー状(またはセメント状)のタンパク質である「マトリックス(間充物質)」であり、水分や栄養分を保持する接着剤の役割を果たします。健康な髪はフィブリルとマトリックスがしっかりと詰まっていますが、カラーパーマの薬剤、紫外線などのダメージを受けると、隙間を埋めるマトリックスが外へ流れ出てしまいます。マトリックスが失われて内部がスカスカになると、フィブリル同士の結束が弱まり、パサつきや切れ毛、枝毛の原因になるため、ヘアケアにおいては失われたマトリックスの代わりとなる補修成分(ケラチンやアミノ酸など)を補うことが重要となる、毛髪化学において基盤となるキーワードです。

主なポイント

  • コルテックスを構成し髪のしなやかさや強さ、弾力を生み出すケラチン線維の定義
    毛髪化学の領域において、髪の毛の構造を維持するための最も基本的な骨組みにあたる繊維状タンパク質です。髪質そのもののしなやかさや強度を内側から支える重要な役割を持っています。
  • 髪の約85〜90%を占めるコルテックスの主成分をなす繊維状の組織
    フィブリルが毛髪内部において占めている、物理的な量(ボリューム)の特徴です。毛皮質全体の大部分を形作るメインの組織として、髪の芯(メデュラ)の周囲に張り巡らされています。
  • ミクロフィブリルと呼ばれる細微な繊維が集まって束になったマクロフィブリル
    フィブリルという組織が構成されている、細微なレイアウトの特徴です。細い線維同士が規則正しく寄り集まって束(構造体)を作ることで、外力による引張応力に負けないしなやかさを生み出します。
  • 束になったフィブリル同士の間隙を埋め、水分や栄養分を保持するマトリックス
    髪の内部組織をガッチリと結合させている、ゼリー状(セメント状)のタンパク質の性質です。フィブリル同士を繋ぎとめる接着剤として機能し、乾燥肌ならぬ髪のパサつきを防いで潤いをキープします。
  • 薬剤や紫外線ダメージによるマトリックスの流出に伴う、内部の空洞化
    日々のサロンワークや生活習慣の中でダメージが蓄積した際における、物理的な変調のプロセスです。油分や水分の保持クッションが失われ、キューティクルへの負担や内部劣化を加速させます。
  • フィブリルの結束弱化によって多発する、髪のパサつきや切れ毛、枝毛の弊害
    マトリックスが消失することによって発生する、直接的な髪の傷み(エイジングサイン)の原因です。髪が本来持つ柔軟性を失い、ブラッシング時や日常の動作による摩擦ダメージで簡単に千切れやすくなります。
  • 失われた結合組織の代わりとして、ケラチンやアミノ酸などの補修成分を補う対策
    髪のまとまりやツヤを取り戻すための、本質的なヘアケアアプローチの手順です。空洞化した隙間へと的確に栄養をインサートして定着させることで、洗練された垢抜け感のある美しい毛流れを保護します。