プロスタグランジンとは、体内の持つさまざまな機能を調節する生理活性物質(局所ホルモン)の一種です。美容スキンケアの文脈では、主に「まつ毛の育毛発毛促進」や「シミ炎症の原因」として語られます。

最大の特徴は、用いられる用途や作用によって、美容においてメリットとデメリットの両極端な役割を果たしている点にあります。もともとは緑内障の治療用点眼薬として開発された成分ですが、まつ毛を「濃く・長く・太く」する副作用が注目され、医療用のまつ毛貧毛症治療薬やまつ毛美容液の主成分(誘導体や類似成分)として広く応用されています。非常に高い育毛・増毛作用が期待できる反面、目に入ると色素沈着によってまぶたが黒ずんだり、目の周りの多毛化、充血、かゆみなどのリスクも持ち合わせています。その一方で、スキンケアにおいては肌トラブルを引き起こす物質としても知られています。紫外線などの外的刺激を肌が受けると内部でプロスタグランジンが生成され、これが引き金となって皮膚の炎症が起きたり、メラノサイトが刺激されてメラニンが過剰に生成され、シミやくすみの原因となります。そのため、一部の美白化粧品ではプロスタグランジンが作られるのを防いでシミの発生を抑えるアプローチが採用されるなど、適切なコントロールが求められる成分です。 

主なポイント

  • 強力な発毛効果
    プロスタグランジンまたはその誘導体は、まつ毛の毛周期に働きかけて「濃く・長く・太く」育てる優れた作用があるため、まつ毛貧毛症の治療薬や美容液の主成分として広く活用されています。
  • 目元への副作用
    非常に高い育毛効果が期待できる反面、液が目に入るとまぶたに色素沈着(黒ずみ)を起こしたり、周囲の多毛化や充血、かゆみを招くリスクがあるため、塗布する際は使用量や範囲に十分な注意が必要です。
  • 外的刺激による生成
    肌が強い紫外線などの外的ダメージを受けると、皮膚の内部でプロスタグランジンが分泌されるため、これが引き金となって局所的な赤みや炎症を引き起こす原因となります。
  • メラニンの過剰生成
    分泌された物質がシミのもととなる細胞(メラノサイト)を刺激し、黒いメラニン色素を過剰に作り出してしまうため、肌の表面にシミやくすみが定着するのを防ぐ徹底した紫外線対策が求められます。
  • 美白化粧品による抑制
    肌トラブルを未然に防ぐスキンケアとして、プロスタグランジンが作られるプロセスそのものを遮断する抗炎症・美白有効成分が配合されているため、シミの発生を初期段階で抑えるお手入れに有効です。