ポリアミドとは、化粧品や美容医療で使われる合成素材の総称です。代表的なものに「ナイロン」があり、化粧品成分としては「ナイロンパウダー」などの名称で、肌触りの向上やメイク崩れの防止を目的に配合されます。 [1]
最大の特徴は、その形状や役割の広さにあります。粉末としてファンデーションに混ぜれば肌をさらさらにし、膜を張る成分として使えばリップの潤いを守るなど、多目的に活用される素材です。一方で、過去に美容医療の注入材として使われた際には深刻なトラブルが報告されており、現在は学会等で使用が禁じられています。 [1]
主なポイント
- 「ナイロンパウダー」による滑らかな肌触り
ファンデーションやアイシャドウに含まれるポリアミドの粉末は、一粒一粒が球状をしています。これが肌の上で転がることで、メイクがムラなく滑らかに伸び、柔らかな質感を作ります。 - 「毛穴をぼかす」視覚効果
光を反射させる性質があるため、毛穴や肌の凹凸を自然にぼかして目立たなくします。皮脂を吸収する働きもあり、時間が経ってもテカリやヨレを防いで、仕上がりを長持ちさせます。 - 「潤いを閉じ込める」皮膜形成
肌の表面に薄い膜を張る性質を持つポリアミドは、口紅やアイシャドウの「持ち」を良くします。同時に水分の蒸発を防ぐ蓋の役割も果たすため、しっとりした使い心地を維持する助けになります。 - 「美容医療」における使用禁止の背景
かつてポリアミドを主成分とする注入材(アクアフィリング等)が豊胸術に使われましたが、しこりや感染症などの健康被害が相次ぎました。これを受け、日本美容外科学会等の関連学会は2019年に「使用すべきではない」とする緊急声明を発表しています。 - 「テクスチャー(質感)」の調整
クリームに適度な硬さを出したり、逆に伸びを良くしたりと、製品の使い心地を左右する調整役としても欠かせません。製品ごとの理想的な質感を作るために活用されています。 - 「環境負荷」を抑える新しい素材
近年では、自然界で分解されやすい「生分解性」を持ったポリアミドの開発も進んでいます。機能性だけでなく、環境への配慮を両立させるための素材選びが、最新の製品づくりに取り入れられています。

