ポリマーとは、小さな分子が数珠つなぎになってできた「高分子化合物」の総称です。化粧品ヘアケア製品において、保湿、皮膜形成、感触改良、乳化安定などの重要な役割を担っています。

最大の特徴は、原料や種類の違いによって多角的な美容効果を発揮する点にあります。髪や肌の表面に薄い膜を張ってツヤを出したり水分蒸発を防いだりするほか、ヘアスプレースタイリング剤で髪を固定する「皮膜形成」、美容液ジェルにとろみをつけて肌への密着性を高める「増粘・ゲル化」、ファンデーション等の肌の凹凸を埋めてサラサラな仕上がりにし、伸びを良くする「感触改良」などの働きがあります。原料の種類には、品質が安定しており使用感の向上に欠かせないジメチコンなどのシリコーン系やカルボマーに代表される「合成ポリマー(石油由来など)」と、自然由来の保湿成分として知られるヒアルロン酸、キサンタンガム、コラーゲンなどの「天然ポリマー(天然由来)」が存在します。合成ポリマーに対して安全性を心配される声もありますが、化粧品に配合される成分は厳格な安全性試験をクリアしたものが使用されており、自身の肌質や好みの使用感に合わせて選ぶことが大切です。

主なポイント

  • 小さな分子が数珠つなぎになった高分子化合物の定義
    化粧品やヘアケア製品の基盤を支える化学的な構造です。多数の分子が重合(結合)して大きな分子量を形成しているため、皮膚表面に留まって高い機能性を発揮する特徴を持っています。
  • 水分蒸発を防ぎ髪を固定するスタイリングでの皮膜形成
    最外層において保護膜として機能する役割です。肌の乾燥(過乾燥)を防ぐだけでなく、ヘアスプレー等で引き出したふんわりとした空気感をキープし、日中の型崩れを物理的にガードします。
  • 美容液やジェルにとろみを与える増粘・ゲル化の機能
    製品のテクスチャー(剤型)をコントロールするための役割です。サラサラとした液体に適度な粘性を与えることで、肌に塗布した際の液だれを防ぎ、成分をしっかりと地肌へ密着させます。
  • 凹凸を埋めて滑らかな質感にするメイクの感触改良
    ベースメイク製品におけるソフトフォーカス効果などの光学補正を助ける機能です。肌のキメの乱れや毛穴の開きにフィットして表面をフラットに整え、サラリとした均一な仕上がりへと導きます。
  • 品質が安定したジメチコンやカルボマーなどの合成ポリマー
    化粧品において高い実績を持つ、石油由来などを起点とする成分分類です。テカリや崩れを抑えるシリコーンオイルや、クリアなジェル構造を作るための増粘剤として数多くの製品に配合されています。
  • ヒアルロン酸やコラーゲンなどの天然由来のポリマー
    生物や植物などの自然界から抽出される成分分類です。優れた保水力や親水性を備えており、肌のカサつきやつっぱり感マイルドに和らげる、なじみの良い保湿成分として広く活用されています。
  • 厳格な安全基準のクリアと肌質に合わせた製品の選定
    成分の安全性に対する客観的な位置づけです。配合されているポリマーは厚生労働省の基準等に準拠した厳格な試験を経ているため、過度な忌避を必要とせず、自身の目的に応じた柔軟な使い分けが推奨されます。