後挿しとは、日本髪を結う際に髷(まげ)の後ろや耳の後ろあたりに挿す髪飾り(簪・かんざし)のことです。
最大の特徴は、正面からの視界(フロントデザイン)だけでなく、後ろ姿のボリュームや立体感を強調する装飾的な役割を持っている点にあります。伝統的な結髪の構造において、髷の根元や後ろ髪、または左右の耳の上の横に張り出した部分である「鬢(びん)」の後方部分に挿し込まれます。種類としては、主に平打ちの簪などが用いられるのが一般的です。前髪や左右の鬢の前面を彩る髪飾り(前挿し)と一対になり、全体のトータルコーディネートのウェイトバランスを緻密に調整しながら、和装特有の凛とした佇まいや、おしとやかで端正な後ろ姿の品格を引き立てるための重要な伝統的服飾小物です。
主なポイント
- 日本髪を結う際に、髷の後ろや耳の後ろ付近に挿し込む髪飾りの定義
和服の装いや頭部の整えにおいて、背面の意匠性を向上させるための代表的なかんざしの分類を指す言葉です。前髪付近を飾る小物とは異なる配置を行うことで、360度どこから見ても隙のない完成度を構築します。 - 髷の根元や後ろ髪、左右の鬢の後方部分に配置される位置の特徴
後挿しが着脱される、具体的な髪のエリア(パーツ)です。髪全体の結合部(根)や、タボ(髱)へと繋がる毛流れの境界線に沿わせるように投入され、衣服の襟元の抜き加減とも美しく同和します。 - 主に平打ちの簪などが用いられ、後ろ姿の立体感を強調する装飾効果
製品に施される、伝統的な工芸技術と意匠の特徴です。金属や鼈甲(べっこう)で作られたフラットな面や彫刻が光を綺麗に正反射させ、歩行時におけるエレガントな大人の色香(色香)や気品を際立たせます。 - ヘアスタイルのウェイトバランスを整え、洗練された着姿を完成させる役割
ヘアメイクや着付けの仕上げにおいて、全体のシルエットを引き締めるための機能です。お面のような不自然な偏りを排し、和装特有の円筒形のシルエットに完璧な調和をもたらす役割を持っています。

