銀杏返し

幕末ごろ十代前半から二十歳頃の少女に結われた髷です。明治になると、髷の大きいものが娘義太夫や芸者に結われはじめ、これを真似て30代以上の女性の間でも人気を博し広く結われるようになりました。銀杏返しは毛束を根元から二つに分け、結び目の左右に輪をつくり、毛先を根元にとめて髷を作ります。年齢や立場により髷の結い方に違いがあり、芸者などは髷の後ろを下がり気味に、若妻などは上がり気味に、若い娘などは髷の輪を大きく結い、中年になると小さく結います。髷に鹿の子をつけた「唐人髷」や、髷の上部をつなげドーナツ状にした「桃割れ」なども銀杏返しの一種です。

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