ブリーチとは、過酸化水素などの酸化剤を用いて毛髪内部のメラニン色素を分解し、髪の色を抜く「脱色」技法のことです。通常のヘアカラーが「色を補う(染める)」のに対し、ブリーチは「元ある色を削る」作業を指します。日本人の黒髪に含まれるメラニンを段階的に壊していくことで、赤褐色からオレンジ、イエロー、そして透明感のあるブロンドへとベースの明るさを引き上げていきます。
最大の特徴は、「高彩度な発色と透明感の実現」にあります。一度ブリーチで髪のキャンバスを白に近づけてから色を乗せる「ダブルカラー」を行うことで、ミルクティーベージュやグレージュ、鮮やかな原色など、通常のカラー剤単体では不可能な色表現が可能になります。一方で、髪の主成分であるタンパク質構造を分解するため負担も大きく、近年ではダメージを劇的に抑える「ケアブリーチ(プレックス成分配合)」の登場により、髪の強度を保ちながらハイトーンを楽しむスタイルが主流となっています。
主なポイント
- 「キャンバス」を白くする: 画用紙の色を白くするほど絵の具の発色が良くなるのと同様、ブリーチ後のベースが明るいほど、濁りのないクリアな色彩を表現できる。
- 「ダブルカラー」の土台: ブリーチ後に色を重ねることで、日本人特有の「赤み」や「オレンジみ」を完全に消し去り、欧米人のような透ける質感を演出する。
- 「ケアブリーチ」の革命: ジカルボン酸などの補修成分を薬剤に混ぜることで、枝毛や切れ毛を最大90%以上抑制しながら脱色する最新技術。
- 「残留色素」との戦い: 過去に黒染めや暗いカラーをしている場合、その染料(残留色素)がブリーチでも抜けきらず、赤みが残る「色ムラ」の原因となる。
- 「アルカリ」による膨潤: 薬剤がキューティクルを無理やりこじ開けるため、施術後の髪は水分が抜けやすくデリケート。弱酸性に戻すアフターケアが鉄則。
- 「ムラサキシャンプー」の併用: ブリーチ後の黄ばみを抑え、美しい色味を長く維持するためのホームケアとして、補色の紫を補うカラーシャンプーが欠かせない。

