ブロッキングとは、カットカラーパーマヘアセットなどの施術を正確に行うために、頭部全体の毛細をいくつかのセクション(区画)に分け、ダッカール(ヘアクリップ)などで留めておく下準備のことです。頭部は球体であり、場所によって毛量や生え癖、骨格の起伏が異なるため、細かくブロック分けをすることで、左右対称のバランス確認や薬剤の塗りムラ、切り残しを防ぐことができます。

最大の特徴は、美容師にとっての「設計図」としての役割にあります。正確なブロッキングは、迷いのないハサミ運びやスピードアップに直結し、仕上がりの再現性を高めます。特に美容師国家試験の「ワインディングロッド巻き)」では、ブロッキングの幅が1ミリずれるだけで全体のバランスが崩れるため、「技術の基本中の基本」として厳格に審査されます。プロの現場でも、複雑なレイヤーカットや多色使いのデザインカラーなど、高度な造形を支える不可欠な工程です。

主なポイント

  • 「設計図」の可視化: 闇雲に手を付けるのではなく、フロント、サイド、バックと区画を整理することで、完成形をイメージしながら論理的に施術を進められる。
  • 「左右対称(シンメトリー)」の死守: 基準となる正中線(センターライン)から左右均等に分けることで、長さやボリュームのズレを物理的に防ぐ。
  • 「骨格補正」の起点:
    • ハチ: ボリュームを出すエリア。
    • ハチ下: タイトに抑えるエリア。

      ※これらを明確に分けることで、日本人に多い絶壁やハチ張りをカバーするカットが可能になる。
  • 「薬剤塗布」の均一化: カラーや縮毛矯正において、薄いパネルごとにブロッキングして塗り進めることで、根元の染め残しや薬の効きムラを徹底的に排除する。
  • 「国家試験」の重要採点項目: ブロッキングのラインが直線で美しいか、毛束が清潔にまとめられているか。この丁寧さが「衛生管理」と「技術力」の両面を象徴する。
  • 「再現性」への貢献: 正確な区画分けに基づいてカットされたスタイルは、自宅で乾かした際にも毛束が正しい位置に収まり、形が崩れにくい。