夜会巻きとは、髪を後頭部で一方向にねじり上げ、毛先を内側に隠してコームやピンで固定する、気品あふれるアップスタイルの総称です。明治時代の鹿鳴館(ろくめいかん)時代、西洋の社交界の髪型が日本に導入された際に、「夜会(晩餐会やパーティー)」に出席する貴婦人たちの間で流行したことが名前の由来です。和装・洋装どちらにも調和する「和洋折衷」の代表的なスタイルとして、100年以上の歴史を超えて愛され続けています。
最大の特徴は、うなじ(襟足)をすっきりと見せ、後頭部に優雅なボリュームを出す「縦のライン」の美しさにあります。タイトにまとめれば、CA(客室乗務員)やビジネスシーンでも通用する知的で清潔感のある印象に、トップに高さを出してルーズに崩せば、ブライダルや成人式にふさわしい華やかなパーティースタイルへと変化します。髪の重さを「ねじりの力」で支えるため、崩れにくく、長時間美しいシルエットを維持できる実用的な正装ヘアです。
主なポイント
- 「和洋兼用」の万能スタイル: 留袖や訪問着などの和礼装から、イブニングドレス、フォーマルなスーツまで、あらゆる公式行事に対応できる格調高い髪型。
- 「うなじ」の美しさを強調: 髪を高くねじり上げることで首筋が長く細く見え、凛とした立ち姿と「うしろ姿」の美しさを演出する。
- 「骨格補正」と小顔効果:
- ハイポジション: トップを高く盛ることで縦ラインを強調し、丸顔をシャープに見せる。
- ローポジション: 重心を下げることで、落ち着いた大人っぽさと和服らしい「しっとり感」を出す。
- 「専用コーム」による固定: 髪をねじって差し込むだけの専用コーム(夜会巻きコーム)も普及しており、コツを掴めば自分でも「崩れないまとめ髪」が短時間で完成する。
- 「進化したアレンジ」: 現代では、夜会巻きの土台に編み込みを加えたり、毛先をあえて散らす「ネオ夜会巻き」など、バリエーションが豊富。
- 「毛たぼ」の使用: 自毛のボリュームが足りない場合は、内部に「あんこ(毛たぼ)」を仕込むことで、形を崩さず理想的な膨らみを持たせることができる。

