エラスチンとは、真皮においてコラーゲン同士を束ね、肌に「弾力」と「伸縮性」を与える繊維状のタンパク質です。ギリシャ語の「エラストス(弾力のある)」が語源で、ゴムのように伸び縮みする性質(弾性)を持っています。真皮の構成成分としては約2〜5%とわずかですが、肌のハリを支える構造体としては欠かせない「要(かなめ)」の存在です。

よく例えられるのが建築物の構造です。コラーゲンが「柱」だとすれば、エラスチンはその柱同士をしっかり繋ぎ止める「ボルト(留め具)」や「耐震スプリング」の役割を果たしています。このエラスチンがバネとしての弾力を失ったり、加齢や紫外線ダメージによって断裂したりすると、肌は押し返す力を失い、深いシワや重力に負ける「たるみ」へと直結します。一度失われると再生が極めて難しい成分であるため、いかに「変性させないか」という予防美容が重要視されています。

主なポイント

  • 「ゴム」のような復元力: 網目状に張り巡らされたエラスチンが、表情の変化などで引っ張られた肌を元の位置にピタッと戻す役割を担う。
  • 紫外線(UV-A)による破壊: 紫外線のA波は真皮まで到達し、エラスチンをブチブチと切断したり、硬化(変性)させたりする「光老化」の最大の原因となる。
  • 糖化(肌のこげ)への脆弱性: 余分な糖とタンパク質が結びつく「糖化」が起きると、エラスチンは柔軟性を失って脆くなり、肌のゴワつきや弾力低下を招く。
  • 20代半ばをピークに減少: 体内での合成は20代を境に急激に減り、40代ではピーク時の半分近くまで落ち込むため、早期からのエイジングケアが鍵。
  • 最新のスキンケア素材: 以前は分子が大きく浸透しにくいとされていたが、近年では低分子化された「加水分解エラスチン」などが開発され、肌表面の柔軟性を高める成分として注目されている。