メデュラ(毛髄質)とは、毛髪の最も中心部に位置する組織で、鉛筆に例えると「芯」にあたる部分です。髪は外側から「キューティクル(毛表皮)」「コルテックス(毛皮質)」「メデュラ」の3層構造でできていますが、メデュラはその中核を担っています。成分は主に柔らかいタンパク質と脂質で構成されており、内部に空気を含んだ蜂の巣状の空洞が縦に連なっているのが特徴です。

最大の特徴は、「すべての髪に存在するわけではない」という点です。一般的に太く硬い髪ほどしっかり発達しており、赤ちゃんの産毛や非常に細い軟毛には存在しないケースが多く見られます。長年、その役割は「不明」とされてきましたが、近年の研究により、光の散乱を左右して髪の「ツヤ」や「透明感」を作り出す重要な視覚的要素であることが判明しました。また、内部の空気層が断熱材のような役割を果たし、外気温の変化から頭部を保護する生理的な機能も持っていると考えられています。

主なポイント

  • 毛髪の「芯」組織: 髪の中心に位置する。蜂の巣のような多孔質(空洞が多い)構造を持ち、髪の弾力やボリュームを内側から支える。
  • 「太い髪」に宿る: 剛毛には太いメデュラが存在するが、細毛では途切れていたり、全く存在しなかったりする。この有無が髪の強度の差にも繋がる。
  • 「ツヤ・透明感」の源: メデュラの状態が光の反射や散乱をコントロールするため、髪の見え方を決定づける。最新のヘアケア製品では、このメデュラをケアして透明感を出す技術も登場している。
  • 「断熱」による保護機能: 内部に抱えた空気が熱を遮断し、寒冷地や炎天下において、脳に近い頭部の温度を一定に保つための天然の防護壁として機能する。
  • 「最新研究」による再定義: 従来は「役割なし」と軽視されてきたが、近年のテクノロジーにより、薬剤の浸透ルートやエイジングによる髪のうねりに関与していることが解明されつつある。
  • 「空洞化」と老化: 加齢とともにメデュラ内部の空洞が広がりすぎると、光が乱反射して髪が白っぽく見えたり(ツヤの低下)、強度が落ちてパサつきやすくなる。